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必要なのは英語?それとも度胸?

先日ラグビーワールドカップの試合を観戦しました。ウェールズ対フィジーの試合。会場は外国人だらけで、私たちの席の周りもほぼ外国人でした。試合中盤、ふと横を見ると、4歳の次男が、後ろの席の外国人女性と楽しそうに話していました。

 

会話を聞いてみると、「これ、靴!」となぜか日本語で「くつ」を教えていました。我が子ながら、おもしろすぎる!(笑)そしてなぜ、靴について話しているのかも謎ですが、なぜか話は通じ合っていて、外国人女性は、「No, it's a shoe.」と言い、息子は、「No, くつ!」と(笑)そのやり取りに何の意味もないんですが、彼がだれかれ構わず会話ができる子だと知り、母はちょっぴり安心したのでした。

 

英会話スクールで教師をしていたころ、長年英語を習っている大人の生徒さんで、「私、外国人の先生のクラスはだめなのよ。」とおっしゃる方がいらっしゃいました。理由を聞けば、「だって緊張するから。」と。その方は英語歴も長く、実際かなりお上手なのですが、ロビーで外国人教師が話しかけただけで、逃げるように帰っていかれることもありました。

 

いつまでたっても外国人とは英語で話せない、と悩む方がいる一方で、息子の様に英語がほぼできなくても(実際私は彼に英語を教えていないので、ほとんどしゃべれません。)知ってる単語だけで、なんだか楽しそうに話す人もいる。

日本人に必要なのは英語力よりも度胸力なのかもしれません。

 

とはいっても、大の大人が「間違いを恐れずに」英語を話すことは、口で言うほど易しいことではありません。大人になればメンツもあるし、プライドもあるし、部下や上司や奥さんが見ているかもしれないし、とにかく恥ずかしいものは恥ずかしいのです。その気持ちはよーくわかります!

 

だったら、小さいうちから身につけるべきは、「英語力」よりも、「度胸力」なのかもしれないと思ったりします。大人になってからでも「英語力」は身につけられますから。

 

私は出かけた先で、必ず一回は、子どもに「知らない人」に話しかけさせています。お店の人にお手洗いの場所を聞いたり、売り場を聞いたりすることから始まり、一人でお使いに行かせたり。物騒な世の中ですから、何をどこまで一人でさせるかは場所や年齢にもよりますが、「ちょっと勇気がいること」を一人でさせてみるのは、英単語をいくつか覚えるよりも、ずっと価値があるんじゃないでしょうか。

 

その思いの延長に、「発表会」があります。うちのスクールには年一回、発表会があります。

想像してみてください。舞台の上で、マイク越しに、たくさんの保護者が見ている中(ざっと50人の大人はいます)一人で英語で話す気持ちを。

人前で話すというだけで度胸がいるものですが、それを英語でやり遂げる子どもたちは、本当にすごいと、毎年感動します。

 

私が発表会にこだわる理由。それはいくつかあるのですが、大きな理由の一つは、やはり「度胸」を付けてほしいから。

どれだけ英語が上達しようとも、「度胸」がなければ意味がありません。英語は言語です。他人とコミュニケーションをとるための道具なのですから。間違えてもいい。お話ししたい!と思える最低限の「度胸」を子どもたちには身につけてもらいたいなと願っています。

 

発表会を大切にしている理由はこちら